「式根島ベース」体験レポート(2025年)

都会の喧騒から離れ、自然の中で心と体を解きほぐす時間は、誰にとっても特別なものです。家庭教師として子どもたちの学びに寄り添い、ライターとして教育・アート・オカルトの世界を発信してきたミミズク博士は、2025年夏、初めて式根島を訪れました。案内したのは、当施設「式根島ベース」を運営するトオル。そこはキャンプやバーベキューを楽しめるだけでなく、子どもたちが自然を通して五感で学べる“居場所”でもありました。本記事では、式根島ベースでの体験を通して感じた魅力と可能性をお伝えします。

ミミズク博士

家庭教師を本業としつつ、ライターとしても活動しています。教育・アート・オカルトなどに関する記事を執筆しています。イベントを取材して、写真を撮ったり、インタビューを行ったりします。水木しげる御大がお亡くなりになった年に「境港妖怪検定」上級合格、日本に十数人しかいない上級妖怪博士になりました。「好きな人を応援する」がモットー。

 2025年8月26日、初めて式根島を訪れた僕は友人のトオルさんに「式根島ベース」を案内してもらいました。

 式根島ベースは、キャンプサイトとバーベキューサイトを備えた施設です。ここを拠点として島内を巡り、海水浴や温泉、ハイキングといった自然体験も楽しむことができます。トオルさんは式根島ベースの管理人です。

 看板のある入り口から敷地内に入ると、両側に木々の生い茂る道が続きます。風が吹き抜けると、植物や土の香りがフワッと漂い、葉や枝が囁くように揺れます。「自然のトンネル」は夏の日差しを遮ってくれて、歩いているだけで心も体も落ち着きます。

 キャンプサイトにはテントが2張り設置されていました。テントは全面蚊帳付きで、蚊や蜂などの虫を防いでくれるので安心です。トオルさんが準備をしてくれた後、僕もテントに入らせてもらいました。

 全方位から風が通り抜けるテント内は、昼間なのに涼しくて快適です。3人用サイズなので十分な広さがあり、トオルさんと僕が入っても窮屈な感じはありません。蚊帳越しに眺める風景も新鮮です。夜はテントから満天の星も見えるという話なので、いつか夜に訪れたいものです。

 トオルさんは発達障害や不登校の子、ひとり親世帯などの子どもの支援にも力を入れていて、特に「五感による学び」を重視します。式根島ベースはそうした学びを得るのに絶好の場所となっています。

 たとえば、夜中にテント内で寝ていると、外でキジやネコなどの小動物が動く音が聞こえてくることがあります。また、キャンプサイトから離れたバーベキューサイトにあるトイレへ行くには、ランタンを片手に真っ暗な道を歩くことになります。子どもにとって、これらは驚きや怖さを伴う体験です。この体験こそが子どもたちに良い影響を与えるとトオルさんは考えます。

 自分の幼少期を思い出すと、僕も自然が好きな子どもでした。田んぼや雑木林を歩き回り、草花を観察し、木の実を集めたり、虫を捕ったりしていました。座学で得た知識よりも、全身で感じたことの方が、生活の知恵や手先の器用さに結びついています。トオルさんの話を聞きながら、自分自身を振り返り、「現代の子どもたちに足りないものは何か?」を考えさせられました。

 僕とトオルさんはテントで数時間を過ごしました。お互いの夢や目標を語り合い、意見を交わし、希望に満ちた未来を思い描く……。こうしてあっという間に時間が過ぎましたが、とても充実していました。

このように、都会の喧騒を離れて好きな人と過ごすひとときは、誰にとってもかけがえのないものです。これを実現する「居場所」にもなるのが式根島ベースです。

 テント前の空間には、今後キャンプサイトが拡張する予定だといいます。テントの数が増え、利用者も増えれば、式根島ベースはさらに盛り上がっていくでしょう。トオルさんは、ここを休憩所にして、島を散策する人たちが気軽に涼めるようにしたらどうか、と考えています。僕は、夜のテントで怪談ライブを行い、その様子をネット配信したらおもしろいのでは、と思いました。式根島ベースには無限の可能性があります。

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